secret time
心の奥が悲鳴をあげた
身体中が泣いていた
【薄桜鬼で創作企画。】転生妄想:沖田総司編
【薄桜鬼で創作企画。】
SSL設定使用の転生シリーズ。
この企画にあたっての簡単な説明と設定は、
⇒転生妄想企画にあたりにて。一読いただけると助かりますん。
あくまでもコンセプトは、
「現代の平和な日常の中で千鶴と幸せになる」5人。
そしてそれを見守る、記憶をもつキャラたち。
ヒロインは千鶴です。夢にはなり得ません、きっと。
では、一人目。お相手は、沖田総司。
◆◇沖田総司編
総司と千鶴が付き合い出した。
そう聞いたとき、自分でも驚くくらいに、――俺は安心して、嬉しかった。
あの2人が、ちゃんと日々を生きて、幸せになるために過ごしていく。
その未来を見守っていけることが、何よりも。
嬉しく思えたんだ。
+
“あの頃”のことを覚えているのは、どうやら俺だけらしい。
……それでいい、と今は思う。
俺達はもう、この時代を生きているのだから。
だが俺はどうしても、忘れられなくて。
あいつらは、性格までは変わっていなくて。
あの頃と同じように、あいつらを見てしまう時も少なくはなかった。
たとえば、総司が咳こんで苦しそうにしているのを見ると。
思わず大丈夫なのか、と反応してしまう自分がいて。
過保護すぎるんですけど、と鬱陶しそうに嫌味を言う総司の言葉にすら
かつての声音が耳の奥で響き重なって聞こえて。
呆れた目でひらひらと手を振りながら去っていく背中にすら
死病を患っていた天才剣士の背中がかぶって見えるから。
苦笑を隠すので精一杯で。
たとえば、俺のところにわざわざ来た斎藤に質問されたりすると。
こいつも相変わらずだな、と不思議な気分になって。
…あの頃は俺を副長として信頼してくれていた斎藤が、今では俺の生徒だなんてな。
そう内心で笑いながら、ただ、あの会津で別れたときのことを思い出さずにはいられなくて。
あんなことがあったなんて、こいつは欠片も覚えてないんだよな。
そう考えたら少しつまらない気もして。
たとえば、原田と新八の2人に平助がからかわれているのを見ると。
あの組み合わせも変わらないんだな、と思わず目を細める自分がいて。
かつて、ばらばらになっていた時期とその後のあいつらを思い出すと
どうしても……言葉にしにくい感情が湧きあがる気がするが。
それでも、いやだからこそ、あの三人組が一緒にいる現実も悪くないと、心から思えて。
たとえば、――総司と千鶴が一緒にいるのを見ると。
あの日、……近藤さんを死なせた、と総司に殴られたあの日を思い出して。
2人、歩いて俺から離れていく背中に、何を想えばいいのかすらわからなかったあの日を思い出して。
労咳や、羅刹や、様々な障害が立ちはだかるであろうあの2人の未来に、
幸せになれなんてどうしても願えなかった、あの現実を、
あの悔しさと不甲斐なさを、思い出して。
今、どういうわけかこうして平和な時代にまた生きることができて、
今度こそあいつらが幸せになれるのだとしたら。
これ以上、嬉しいことはないと、思う。
いつまでも、こんな目線でしかあいつらを見ることなんてできないんだけどよ。
今度こそ、――2人で幸せに、なってくれと心から。願うんだ。
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