secret time
心の奥が悲鳴をあげた
身体中が泣いていた
【薄桜鬼で創作企画。】光 -I promise you-
【薄桜鬼で創作企画。】
黒崎真音さんのアルバム「五色詠 -Immortal Lovers-」に収録されてる五曲で
それぞれ書いてみました。
アニメ雪華録のEDです。あの神曲たちです。
どうしてもやりたかった企画。第四弾です。
やっとここまできたぞ。
例のごとく、SSというより独白に近い。ヒロインは個人名でてきません。
それぞれのルートEDと、曲の歌詞を踏まえてるので
曲を聴きながら、もしくは歌詞を見ながら(ん?)読んでもらえると
おもしろいことになってるかもしれないですがわからないです←
曲リンク貼ろうかと思ったけど、つべとかで探して下さい←
ニコニコにもありますよ。素晴らしいMADもたくさんありますよ。
ということで、曲目、「光 -I promise you-」より、藤堂平助のお話。
もうお前の傍を離れない。
あの日、俺はそう決めたんだ。
絶対に、何があっても、お前と一緒に生きていくんだって。
光 - I promise you -
夕暮れ時。一人で、赤く夕焼けに染まる空を見上げる。
昔もよくこうして空を見上げていたよな、なんてふと思っただけだったのに
何でだろうな、……蘇ってきた。
あの頃の毎日が。
懐かしい、二度と還らない日々が。
特に鮮明なのは、伊東さんと一緒に新選組を離れるかどうかを悩んでるときか。
でも羅刹になって新選組に戻ってきてからも、何度も。
何が正しいのかわからなくなったり、自信がなくなったりして。
進むべき道が見えなくなったり、決めたはずのことすらも躊躇ってしまったり、
そうして動けずになったことがあって。
その度に背中を押してくれたのが、あいつだった。
動けなくなって、立ち止まったとき。
いつも決まって思い出すのはあいつの横顔で。
俺がどこにいても、新選組でも御陵衛士でも羅刹隊でも、
すぐ其処に、傍にいてくれたから。
「……お前が、居てくれたから」
俺は、俺のまま、ここまで生きることができたんだ。
仙台での哀しい最後の戦いを終え、血に狂うこともなくこうして暮らしていると改めてそう思う。
羅刹になったあのとき、思ったんだ。
俺は闇に堕ちてでも、新選組とあいつが生きていくために刀を振るうんだ、って。
だって羅刹になることを選んだ俺が、あいつと一緒に生きたいなんて、
そんなこと願えるわけなくて。
思えば一度新選組を離れたときからずっと、諦めていたんだろう。
俺はあいつよりも、大好きな新選組のみんなよりも、自分が正しいと思った道を選んで御陵衛士になった。
そのときからもう、みんなと共に生きる道なんて残ってるはずがなかったから。
「願えるはず、なかったんだよ……」
ずっと、忘れられなかったんだけどな。
小さく、苦笑いしながらそう呟く。
新選組を離れてからも、ずっと、忘れられなかった。
まるで心の中に焼け付いてしまったかのように。
まるで、近くにまだあいつがいるみたいに。
だから油小路でも、咄嗟に身体が動いたのだろう。
護りたい、と。
そう思った相手は初めてだった。
最初はなんでそんな、自分よりもあいつのことを大事にしたいと思うのかわからなくて、
でもいつだったか、自分の想いに気づいてしまったら、もう目をそらすことなんて出来なくて。
「お前は、俺にとって」
行く道を照らしてくれる、光になったんだ。
羅刹になり、もう人間とは違う世界で生きていくんだと思っていた俺の世界は、
あいつのお陰で色づき、明るくなり。
共に生きたい。
許されるかわからないけれど、それでもそう願う度に。
強くなれる、いや強くなる、気がした。
そんな、俺に俺として生きる希望をくれたあいつは本当に大切な存在だから、
何にも譲ることなんてできなくて。
たとえすぐそこまで……俺達を引き裂く運命がやってきていたとしても、
それでも俺は願いを叶えるんだって、
一緒に未来を生きていくんだって、そう決めている。
「……わかってるんだ」
近い未来、それが訪れることは。
俺は羅刹になってから、随分力を使ってきたから。
もちろんそれを後悔なんてしてないし、
むしろ土方さんや新選組のために働けたなら、それで良かったと思っている。
「……進んで、山南さんの後ついてったりしたからなあ」
左之さんや新八っつぁんなんかにはよく、羅刹の力を使いすぎるなーなんて言われたけど。
「ほんっと、あのおじさんたち心配してくんだもんな」
まあ、そう言ってくれる人がいるだけで嬉しくて。
だからこそ、俺は俺の出来るだけのことはしたいと思っていた。
その代償が、もうすぐ回ってくる。
「生きれない…のか、これ以上」
そう考えると、一度死んでいるはずなのに少しだけ震える気がする。
あいつが何よりも大切だってのは確かだから、
それが何かで変わってしまうことなんてありえないから、
怖くはないんだ、別に。
ただ、あまりにも残酷だから。
死、というものは。
これまで数えきれないくらいの奴らを斬り殺してきた俺が言うのもおかしいかもしれない。
けれど、死は、その別れは、絶対的なもので。
引き裂かれてしまう。
隣にいたとしても、一瞬で。
それだけ残酷なものなんだ。
だからこそ今思う。
これからその残酷な別離がやってきて、俺たちを引き裂いていくけれど。
「俺はお前の傍に居続ける」
死んでも。
死んで、そのまま灰になって消えることになっても。
たとえその手の中で灰になってしまったとしても。
「離れやしない」
だって、誓ったんだ、俺。
お前と一緒に生きて未来を見る、って。
共に生きる道を選んだときに。
「だから、もう迷わない」
永遠に、傍にいるから。
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