secret time
心の奥が悲鳴をあげた
身体中が泣いていた
【薄桜鬼で創作企画。】風花 -The whisper of snow falling-
【薄桜鬼で創作企画。】
黒崎真音さんのアルバム「五色詠 -Immortal Lovers-」に収録されてる五曲で
それぞれ書いてみました。
アニメ雪華録のEDです。あの神曲たちです。
どうしてもやりたかった企画。第二弾です。
前回同様、SSというより独白に近い。ヒロインは個人名でてきません。
それぞれのルートEDと、曲の歌詞を踏まえてるので
曲を聴きながら、もしくは歌詞を見ながら(ん?)読んでもらえると
おもしろいことになってるかもしれないですがわからないです←
曲リンク貼ろうかと思ったけど、つべとかで探して下さい←
ニコニコにもありますよ。素晴らしいMADもたくさんありますよ。
ということで、二曲目、「風花 -The whisper of snow falling-」より、斎藤一のお話。
*****
手が届きそうで届かない距離をもどかしく思ったり。
視線が重なる度、胸騒ぎを覚えたり。
そんなことが続いていくうちに、目を逸らす程あいつの姿が目に入るようになっていた。
俺に、初めてこんな気持ちをくれたのは、あいつだった。
風花 - The whisper of snow falling -
雪がはらはらと降る冬の道を一人で歩きながら、思い出す。
自分はただ武士として、人を斬るためだけに生きていくのだと、
そう信じて疑うこともなかったあの頃。
総司や平助、左之や新八たちとは親しくしていたが、
基本的に馴れ合うことなど嫌っていた俺は、根本的に自分は一人なのだと、
一人だからこそ新選組の力になれるのだと、思っていた。
そんな俺に。あいつは。
「……いつも笑ってくれたな」
何度も。いつでも。
見せてくれる笑顔があまりにもまっすぐで、眩しくて。
信じるな、誤魔化されるな、俺はあんな光を求めてはいけない。
そう言い聞かせても、いつも目に入ってくる笑顔に、確かに惹かれていた。
ああ、奇跡なのだ、と。
そう悟ったのはいつの頃だったか。
時代は激しく揺れ動き、日に日に街の景色も変わっていくような時と場所で、
あんな形とはいえ、出会えたことは奇跡としか言い様がないのだと。
だとすれば、その奇跡はきっといつまでも消えないはずだ。
だから俺は、あいつを、想っても良いのではないかと。
恋や愛など俺にはよくわからないが、
ただ胸に宿るこの気持ちがかけがえのないものだということだけは、わかっていたのだ。
「届いたのだろうな、あいつには」
そっと掌を掲げると、雪が落ち、溶けていく。
「……運命とは」
無情なものだな、と思う。
まさか俺が、新選組本隊から、土方さんから離れることなど、昔は考えてもいなかった。
ただ自分の信じる道を進んだだけなのに、なぜこうなったのか。
左之や新八が離隊したときからずっと、胸の奥にあったもどかしさ。
だがこれが人生なのだろう、と。
あの二人と、そして平助と。四人で共に戦ったときに思ったのだ。
運命とは無情なもので、唐突に未来を振りかざしてくる。
それならばせめて俺は、もう二度と生きることのないこの一瞬一瞬を大切に生きねばなるまいと、
永遠に穏やかな日々などきっと得られないのだから、
出来るだけ笑顔で、あいつを想いながら日々を過ごさねばなるまいと、
……いや、過ごしたいと、そう願ったのだ。
全てが終わり、二人で暮らしていくことを決めた日。
繋いだ手から、あいつに伝わってくれただろうか。
遠くにあいつの姿が見える。
…人を想うということがこんなにも幸せなことだと教えてくれた彼女。
「いつかこんな毎日も、終わるのかもしれないが」
ずっとずっと、永遠に、お前を想い続けよう。
だからどうか、俺の想いが、……口では伝えられぬ故、なんとかして。
届くことを、祈っているのだ。
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